社内研修会報告 薬薬薬連携について

先日のエリア研修会では、地域連携をテーマとして医薬品卸会社明祥の浦辺営業部長と医薬品メーカーエーザイの渡辺様から講義していただきました。

在宅医療は住み慣れた自宅に居ながらにして療養を受けることができるので、高齢化社会がどんどん進む現在その必要性が言われています。しかし一方療養を提供する側は24時間対応しなくてはいけないという拘束感というかプレッシャーを感じることになります。結果として在宅医療の参画に二の足を踏む状況があったわけです。

浦辺部長は、富山県に新川地区というところがあるのですが、その地区の在宅医療の体制づくりにご尽力されたとのことです。明祥では各医院と取引していて顔が広いことを活かし、開業医の先生方と協力して在宅医療の提供体制を構築しました。一人の医師が患者を受け持つのではなく、医師が3名体制で、主治医の先生が都合が悪ければ副主治医、さらにその先生も都合が悪ければ3人目の先生が対応するというものです。それぞれの医師間で情報を共有するために共通のカルテの書式にするなどいろいろ工夫され、在宅に入る先生の負担を減らすようになりました。

結果として、その仕組みに共感された先生が集まり現在では19名の医師がそこにかかわっているとのことです。住み慣れた自宅で療養したい、最後を迎えたいという地域住民のニーズにこたえることができるようになっているようです。

エーザイの渡辺様の講義では、認知症になっても暮らしやすい街づくりという話がありました。認知症になって自宅で生活することが困難になり施設に入所しなくてはいけなくなる、そういう方を少しでも減らすべくアリセプトの服用継続する仕組みや啓もう活動をしているとのことです。

失礼ながら私は今まで医薬品卸や医薬品メーカーは商品が売れればいいと思っていると思っていましたが、両方の方とも「患者さんのために何ができるか」という視点で活動していることがわかりました。

翻って私たちはなの木薬局でも、患者さんのために、地域住民のためにという視点がないと自分たちだけ儲かればよいということになってしまいます。もともと私が薬剤師になろうと思ったのも「人のためになる仕事がしたい」と思ったからです。利益最優先で仕事をするのではなく、「患者さんのために」という意識を常に持ちながら店づくりをしていこう、改めてそう思いました。

坂下店 夏目茂治

2012.12.21