海外(米国)研修報告2010 その3

2010/11/05

『ワシントン州立大学』 

メドコ社のダン・ダニエルマネージャーによるメールオーダー薬局の説明と
医療保険制度の中で「PBM」(PharmacyBenefitManager)という組織
団体が存在することを学習した。

PBMは保険提供者を顧客とし、全ての患者情報を所有し複雑な保険制度の中で、
薬局に対する請求処理に関与し、保険支払いがスムーズに行くように保険会社と
調整を図る。また製薬メーカーからは薬剤購入の交渉を行い、ジェネリック薬を薬局
へ推進したりして、医療費を抑えるツールを全自動システムで運営している。
この概念は日本には全くなく理解しがたい。
またこの組織がメールオーダー薬局を運営していると聞きさらに驚くばかりである。


ラスベガス郊外に展開するメールオーダー薬局のmedco社には、
この研修の後半に訪問するが、撮影禁止で薬局内の映像なし。
我々が日本人として初めて見学できました。
なんと、東京ドームほどの大きさの薬局!!!   
もはや薬剤工場としかいいようがありません!
2~3日で、空港便で全米に空輸する。
『ノースシアトル コミュニティカレッジ』見学

日本にはない、「テクニシャン」というライセンスを取得するための専門学校。



1970年代から存在し、入学すると9ヶ月で、基礎的な計数調剤のための
数学、法令、薬理、レセコン入力などを学習する。また在学期間中
2箇所で実務実習を432時間行い、試験を受けてパスしなければならない。
国の制度としてテクニシャンの需要は高まっており、病院勤務は
最も福利厚生も厚く人気が高い。

テキストを拝見したが、とても9ヶ月で習得できるような内容ではない気が
しました。


また、輸液の無菌調整や保険制度まで学習するため、
日本の薬剤師の行うレベルに近い気もしました。

『BARTELL DRUG』見学



日本人の米国薬剤師ミユキさんがいらっしゃったため、今まで体験した医療制度や
薬剤師の実像をしっかり、日本の風土を知っている立場から説明していただきました。

やはり現場では、いろんな問題をかかえ、トラブルを解決し、必死に勤務をされて
いるようです。

まず、米国医療制度が破綻寸前で保険会社からの支払いも本当に厳しくなっている。

薬剤師1人(年間給与1000万円以上)に対し、調剤業務をほぼ全て行うテクニ
シャン(年間給与350万円以下)を2人まで配置できるのも・・・薬剤師の大きな仕事が
コスト削減のため保険会社と調整を図る事も、忙しい医師の負担を軽減し、そして1年
に1回のDrの診察とリフィル処方で管理し、チェックする体制も全て医療費削減のため
と感じます。



一部の裕福層には手厚い医療がありすばらしいが、全体を最適としようするならば、
この米国の医療制度は複雑で日本人には適合しないのではと改めて感じました。

海外(米国)研修報告2010 その2

2010/11/01

『ワシントン州立大学』  (シアトルでの研修)

薬学部副部長であるスタンレー・ウェーバー教授と当大学教育開発部長による
「アメリカにおける薬学教育」「臨床薬剤師の生涯学習」の講義を受けました。



      
          (午前中の講義風景)

アメリカの薬学部へは、いきなり入学できないようです。

2年間のプレファーマシーを受けるか、一般大学の4年を就業していなければ、
専門に特化した薬学教育を受けられないということです。

主な内容は、実践基礎といわれる、薬物治療の計測、ケアの提供、また
薬物摂取システムの考案、ヘルスケア資源の管理などです。
そして専門的に実践技能を教育されるわけですが、少し驚いたのが、「考える能力、
意思決定」「リーダーシップ」「品質改善」「チームワーク」「社旗啓蒙活動」「専門的
行動と姿勢」など日本の大学にはないカリキュラムが徹底されていることでした。

また、驚いたことにインフルエンザ予防接種など感染症の注射や血圧測定、
禁煙指導と薬剤の販売、そして課題を考え解決する応用力、カウンセリング
スキルを薬剤師が行っており、そのための教育を州(国)や大学の生涯学習
プログラムとしての教育省の全米認定機関(ACPE)が存在し、一定期間(2
年間)での習得を義務付けていることでした。

病院見学では、院内の薬局を見学・勉強させていただきました。


ワシントン大学付属メディカルセンター↑は、学部内に存在し旅行者も安心して
検査治療も受けられる中核病院です。州の中の組合7病院の中心で、年間
薬剤総購入額は13000万ドルです。7病院合わせて薬剤交渉にあたり患者
サービスに貢献しているようです。

この研修では院内薬局を見学させていただきました。



       (院内の薬剤師さんの仕事風景:調剤業務は行ないません)

米国の薬剤師さんは、新米ドクターに「どんな処方構成がいいかアドバイス・指導」
「薬物モニタリング」を行い、医師の信頼を得るに値する業務を行っていました。
また、保険会社との交渉・調整も大きな業務のひとつです。


          (この部署の薬剤師さんは、私服です!)

日米薬剤師の業務の差には、国の医療保険制度と教育システムが大きく
影響しているよです。

海外(米国)研修報告2010 その1

2010/10/19

今回、3つのテーマを検証、分析するために米国のシアトルへ行き、
海外研修を受けてきました。
またとないこの機会に恵まれて、感謝の気持ちをこめて少し報告したいと
思います。

<セミナー1日目>
米国北西部ワシントン州にある最大の都市、シアトル(seattle)。
この町は、イチロー選手のいるマリナーズの本拠地として日本人には、
有名な都市です。


 (マリナーズ本拠地 セーフコフィールド正面玄関)

人口は60万人であるが、州都オリンピアも含めた広域エリアを含めると
370万人以上が生活しています。



    (シアトル市内にあるワシントン州立大学)

この都市は、世界中の都市と姉妹都市契約を結んでおりますが、
日本では神戸市と気仙沼市が結んでおり、緑豊かな海と湖に面していて、
ボーイング社、マイクロソフト社、アマゾンドットコム社、スターバックス社、
エディバウアー社、コストコ社などの世界的に有名な優良企業が本社を置いている。



今日は、多くの企業の本社を眺めながら市内をめぐり、都市の歴史を勉強しました。


           PS
seattleという都市の名前は、原住民であるインディアン部族の酋長さんの
名にちなんで付けられたそうです。
多くの部族は白人と争い破れ命を失っていったが、この酋長さんは、
時代の流れを感じ、他の場所へ移る決意をし争わなかったようです。
アメリカ14代大統領フランクリン・ピアーズにあてた手紙はとても有名です。

あらゆるものはつながっている
わたしたちが この命の織物を織ったのではない
わたしたちは その中の 1本の糸にすぎない
生まれたばかりの赤ん坊が 母親の胸の鼓動を したうように
わたしたちは この大地をしたっている
もし わたしたちが どうしても
ここを立ち去らなければならないのだとしたら
どうか 白人よ わたしたちが 大切にしたように
この大地を 大切にしてほしい
美しい大地の思い出を
受けとったときのままの姿で
こころに刻みつけておいてほしい
そして あなたの子どもの そのまた 子どもたちのために
この大地を守りつづけ
わたしたちが愛したように 愛してほしい
いつまでも
どうかいつまでも      』

昔、聞いた事のあるこの文章を思い出し、改めてこの酋長に敬意をもって
このまちのことを、この国のことを勉強しようと感じたのでした。



    (シアトルの夜景:スペースニードルから)